※現在の1/25000地形図では使用されていないものも含みます(気象台、自衛隊、森林管理署)
建物 | 官公署 | 個別の記号がある裁判所、税務署等を除く国の機関を示します。外国の大使館などもこの記号で表示されます。 | |
気象台 | 明治期に「測候所」を示す記号として、半球状の風杯をつけた風車の回転速度によって風速を測定する「風速計」から作られました。平成25年図式では使用されず、官公署の記号や注記により表示されています。 | ||
警察署 | 「警棒を交差させている」ところを表す、警察署の記号です。交番は別の記号で示されます。 | ||
高等学校 | 高等学校の記号です。中高一貫校もこの地図記号で表示されます。 | ||
交番 | 警察署の交番、派出所や駐在所を示しています。警察署の記号と同様に「警棒を交差させている」ところを表しています。丸で囲まれていないのが交番の記号です。 | ||
裁判所 | 高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所や簡易裁判所を示します。最高裁判所は、記号ではなく注記により(文字で名称が)表示されています。昔、裁判の内容などを知らせるために使われていた立て札(高札)のかたちが元になった記号です。 | ||
寺院 | 仏教で吉祥を象徴する卍(まんじ)が元になった記号です。 | ||
自衛隊 | 自衛隊法による陸上、海上、航空自衛隊の各機関を示します。平成25年図式では使用されず、注記により表示されています。 | ||
市役所 | 市役所、東京都の区役所がこの記号で表示されます。明治政府により地図の整備が始まった当初は現在の県庁にあたる郡役所の記号でしたが、1888年の市制・町村制の制定後、市役所を示す記号になりました。 | ||
小中学校 | 漢字の「文」が元になった、小学校または中学校を示す記号です。小中一貫校にもこの記号を用います。 | ||
消防署 | 江戸時代から火を消す道具として使われていた「刺股」(さすまた)のかたちが元になった記号です | ||
神社 | 神社の参道入口などに立っている、鳥居の形を表した記号です。 | ||
森林管理署 | 当初は「営林署」の記号として漢字の「木」から作られました。平成25年図式では使用されず、官公署の記号や注記により表示されています。 | ||
税務署 | 税務署は税金の計算をするというところから、そろばんの珠と軸のかたちを表した記号になっています。 | ||
図書館 | 公立の図書館を示します。記号は、開いた本を表しています。2002年に新しく追加されました。 | ||
博物館 | 博物館法に基づく博物館や同じような施設を示します。建物の形のイメージが記号になっています。水族館や動物園、植物園は、記号ではなく文字で名称が表示されています。2002年に新しく追加されました。 | ||
病院 | 救急病院や救急診療所を示します。旧陸軍の衛生隊の印を元にした記号です。 | ||
保健所 | 地域保健法に規定する保健所を示します。 | ||
郵便局 | 普通郵便局や特定郵便局、簡易郵便局を示します。地下街にある場合は、この記号を用いません。 | ||
老人ホーム | 老人福祉法に基づいた老人福祉施設のうち、特別養護老人ホームや養護老人ホーム、軽費老人ホームを示します。建物と杖の形を元にした記号で、全国の小学生・中学生から募集したデザインを元に、2006年に新しく作られました。 | ||
構造物 | 煙突 | 高さが概ね60m以上の煙突を示します。煙突とその影、煙を組み合わせた記号です。 | |
記念碑 | 立像を含めた有名なものや、位置の目標となる記念碑を示します。特に有名なものは併せて名称も表示されています。石でできた記念碑を前から見た形とその影の形を元にした記号です。 | ||
高塔 | 電波塔、展望台等の高い塔(送電線鉄塔を除く)で高さが概ね60m以上のものを示します。4本の脚がある東京タワーなどを上から見た形を元にした記号です。 | ||
自然災害伝承碑 | 過去に起きた津波、洪水、火山災害、土砂災害等の自然災害の情報を伝える石碑やモニュメントを示します。記念碑の記号に碑文を表す縦線が加えられたもので、実際の記号のサイズは従来の記念碑記号より若干大きく(縦・横・線幅→約1.5倍)となっています。2019年に新しく追加された記号です。 | ||
電波塔 | テレビ、ラジオ、無線通信などの送受信を目的に作られたもののうち、主なものを示します。アンテナと電波の波の形を組み合わせた記号になっています。 | ||
灯台 | 灯台は、原則としてすべて表示されています。灯標および航空灯台は、重要なものを表示します。灯台(光源)を上から見た形と四方八方に光が出ている様子を元にした記号です。 | ||
発電所 | 発電所と変電所を示します。発電機を歯車と電気回路の形を記号にしたと言われています。 | ||
風車 | 発電を目的に設置され、特に高くそびえて、位置の目標となるものを示します。全国の小学生・中学生から募集したデザインを元に、2006年に新しく作られた記号です。 | ||
油井・ガス井 | 現在採取中で、目標となる施設を有するものが表示されています。 | ||
植生 | 荒地 | 雑草などが生えている場所を示します。雑草が生えた湿地や沼地なども含みます。雑草が生えている様子に由来した記号です。 | |
果樹園 | リンゴ、ミカン、ナシ、モモ、クリ、ブドウなどを栽培している土地を示します。リンゴやナシなどの実を横から見た形を元にした記号です。 | ||
広葉樹林 | シイ、カシ、ブナ、ナラなどの広葉樹が隙間無く生えている場所を示します。樹高 2 メートル以上を基本としますが、それより低い場合もこの記号で表示することができます。広葉樹を横から見た形が由来となった記号です。 | ||
笹地 | 笹が隙間無く生えている場所を示します。笹だけでなく篠竹も含みます。 | ||
竹林 | 竹が隙間無く生えている場所を示します。「竹が生えている様子とその影」が由来となった記号です。 | ||
ハイマツ地 | 高い山で、ハイマツが隙間無く生えている場所を示します。ハイマツとは、樹高が低いマツの木の仲間です。 | ||
畑 | 陸稲(りくとう、おかぼ)、野菜、芝、パイナップル、牧草などを栽培している土地を示しています。植物の二葉の形をを元にした記号です。 | ||
ヤシ科樹林 | ヤシ科植物や大型のシダ植物など、大型の熱帯植物が生えている場所を示します。ヤシの木を横から見た様子を元にした記号です。 | ||
針葉樹林 | マツ、スギ、カラマツ、イチョウなどの針葉樹が隙間無く生えている場所を示します。樹高2 メートル以上を基本としますが、植林地はそれ以下でもこの記号を使用します。杉の木を横から見た形が由来となった記号です。 | ||
田 | 水稲(すいとう)、蓮(はす)、い草、わさび、せりなどを栽培している土地を示します。稲を刈り取ったあとの形を元にした記号です。 | ||
特定地区 | 漁港 | 漁港法という法律で決められている漁港を示します。ただし、この法律の中で第一種漁港(その利用範囲が地元の漁業を主とするもの)にあたるものを除きます。記号は、その港域のほぼ中央位置に表示します。小型船の錨の形を元にした記号です。 | |
港湾 | 港湾法という法律で決められている国際戦略港湾、国際拠点港湾、重要港湾及び地方港湾を示します。記号は、その港域のほぼ中央位置に表示します。大型船の錨の形を元にした記号です。 | ||
噴火口・噴気口 | 火山の火口などで噴火・噴気をしている場所、数年の休止期をおいて噴火・噴気が予測されるものについてその場所を示します。火口の形と火口からの煙の形を組み合わせた記号です。 | ||
温泉 | 温泉法という法律で決められている温泉や鉱泉を示します。記号は、主な温泉のでているところの場所をあらわしますが、温泉のでている場所と浴場が離れている場合には、浴場の場所にも表示することがあります。泉源の湯壺と湯けむりを組み合わせた記号です。 | ||
城跡 | 昔、城があったところで、現在も天守閣、櫓、石垣などがあるところを示します。築城工事をする時の縄ばりの形を元にした記号です。 | ||
採鉱地 | 鉱物を採掘している場所を示し、その採鉱地の中央か主な位置に表示します。採鉱地は記号と併せて、鉱物(石灰やタングステンなど)の名称を一種類、ひらがなまたはカタカナで表示します。位置の目標となる廃坑は、記号と併せて(廃坑)と表示されています。つるはしを交差した形を元にした記号です。 | ||
基準点 | 三角点 | 正確な位置を求める測量をおこなうために、国土地理院が設置した位置の基準となる点の場所を示します。三角測量を行うときの三角網の一部を記号としたものです。 | |
水準点 | 正確な高さを求める測量をおこなうために、国土地理院が設置した高さの基準となる点の場所を示します。水準点の標石を真上から見た形を元にした記号です。 | ||
電子基準点 | 測位用の人工衛星からの電波を連続観測し、正確な測量をおこなうために、国土地理院が設置した基準点の場所を示します。記号は、三角点と電波塔の記号をあわせたものになっています。1997年に追加されました。 |
参考:国土地理院webサイト キッズページ(地図記号一覧および平成25年2万5千分1地形図図式)
https://www.gsi.go.jp/KIDS/KIDS05_00001.html
『地図記号のうつりかわり−地形図図式・記号の変遷−』(1994)(一財)日本地図センター
『地図記号 500』(2021)(一財)日本地図センター
「月刊 地図中心」通巻603号(2022)(一財)日本地図センター